NPO法人代表者インタビュー「NPOエール」No.005発行しました

NPO法人さくらっこ

NPO法人に興味がある」、「社会起業を考えている」…けれど不安や迷いもいっぱい…。そんな方々の不安や迷いを少しでも解消するためにNPO法人を運営している方々にインタビューを行い、生きた言葉を掲載していきます。これからNPO法人を立ち上げようと考えている方々に石川県金沢市よりエールをお届けいたします!

第5回目となる今回のインタビューはこちらのNPO法人様です。

No.005「NPO法人子育て支援さくらっこ」様

【団体概要】
団体名:NPO法人子育て支援さくらっこ
事業開始年月:2011年6月
所在地:石川県金沢市
代表者:布施安子
URL: http://www.kosodate-sakurakko.com/
事業目的: 地域や家庭における子育て支援事業を行い、安全で健やかな子どもの育成に寄与することを目的とする。

【インタビュー実施日:2015年1月】
聞き手:ひがし行政書士事務所 代表 東 真稔(ひがし・まさとし)
話し手:NPO法人 子育て支援さくらっこ 代表 布施安子(ふせ・やすこ)さん

■行政からの委託をNPOを通して市民に還元する活動

東)子育て支援さくらっこさんは2011年の6月にNPO法人として起業されていますが、最初からNPO法人にしようと思われていましたか?
布)ええ。行政との協働を視野に入れていたので、最初からNPO法人で起業するつもりでした。社団法人という選択肢もありましたが、やはり行政からの委託を考えるとNPO法人のほうが利点を感じましたね。

東)NPO法人設立のまでの経緯を教えてください。
布)2008年に5名のスタッフで子育て支援の任意団体としてスタートして、その後NPO法人として独立するため1年半くらい修行をしました(笑)

東)NPO法人になる修行(笑)って何ですか?
布)実は既存のNPO法人に子育て支援部門を作ってもらい、そこに入る形で、NPO法人の運営や義務、書類の作り方などをじっくり学ばせてもらったんです。

東)設立前にNPO法人で修行するというのは、なかなかないパターンですね。実際に修行された感想はいかがですか?
布)NPO法人はやることが多いということが良くわかりました。会計はもちろんですけど、総会開催も義務だし、理事会の承認や議事録もしっかり残さなくちゃいけないから意見を集約するのに時間もかかるし・・・。

東)お聞きしているとあんまりいいところないですね(笑)
布)でも、その分NPO法人の透明性は高く、信頼も厚い!という魅力があります(笑)私たちは行政からの委託を受け、NPO法人を通して市民に還元していくという活動がしたかったので、税金を使わせていただくこともあるし、そのためには会計にしても組織にしても“クリアである”ということが最も優先されるべきことでしたから。

東)よかったです。NPO法人のいいところもあって。
布)でも立ち上げ時はやはり面倒なことが多かったです。当時は東さんのようなNPOの専門家とかいませんでしたから頼るところもなく、私たちは書類を作るために活動しているわけじゃない!(笑)とか思いながら、書類とにらめっこしていました。

■時代のニーズをキャッチし、チームワークで応える組織へ

東)NPO法人で独立されてから大変だと思うことは何ですか?
布)そうですねぇ。いろいろありますが、2012年にNPO法人に関する法律が改正されて、今まで理事全員で負ってきた責任を理事長ひとりが負う形になってから責任が増した気がします。さくらっこは私が理事長ですから、それ以降あまり人に頼れなくなってしまいました(笑)

東)法律の改正にはみなさん振り回されますね(笑)
布)組織のトップというのは、さまざまな事を決断しなくてはならないですし、しかもその決断は競合などとの兼ね合いもあって外部に漏れるとまずいということもある。だから周囲にも相談できないし、グチも言えない(笑)

東)確かに経営者は耐えることが多いですよね。
布)“経営者は孤独である”とよく言いますが、それを実感しています。トップに立つ人間も完全ではないので、たまには「見逃して〜」と言いたくなりますが(笑)、実際はそれをグッとこらえなくてはいけません。本当に経営者はみなさん大変だと思います。

東)一般的に、NPO法人さんに悩みをお聞きすると、資金繰りに関するお話が多いのですが、さくらっこはその辺りどうですか?
布)NPO法人に限らず、事業者が資金で苦労するのは当たり前じゃないでしょうか。資金がなければ事業はできないし、事業のため人を動かせばそこに賃金の支払いも発生しますし。

東)さくらっこは今何人のスタッフがいるんでしょうか?
布)25人いますが、全くのボランティアはいなくて全員に賃金を支払っています。さくらっこも資金が潤沢にあるとは言えませんが、事業を廻していけるだけの体力は徐々に身につけてきました。

東)資金のほかに、事業を継続させために必要なものって何でしょう?
“時代のニーズを早く取り入れる”ということと、“和”と“チームワーク”ですかね。

東)では、“時代のニーズを早く取り入れる”ことに関して、具体的に気をつけていらっしゃることはありますか?
布)今は本当に変化の激しい時代で・・・子育て家庭の状況も時代とともに変化していますから、正直私たち世代の考え方ややり方では対応できないところもあります。そういった変化を敏感にキャッチして、時代にあった子育て支援をするためにホームページやFacebookなんかで情報の発信や収集をしています。あと、若いスタッフの意見も大切にするようにしていますね。

東)もうひとつ挙げられた“和”と“チームワーク”についてはどうでしょう。
布)子育て支援というのは社会全体に関わる問題で、どう考えてもひとりではできないし、時間もかかる。それを少しでも持続的に解決したくてNPO法人を作ったわけです。さくらっこも多くのスタッフがそれぞれの価値観を持って活動していますが、みんな地元の子どもが減少していることに危機感を感じていますし、地元である金沢の子育てを応援したいという想いは強い。だから、立場や役目は違っていてもまとまることができるんだと思います。

東)共通して危機感を感じているというのは結束も強い感じがしますね。
布)そうなんです。それと、あと“和”や“チームワーク”にはスタッフの年代のバランスなんかも重要かもしれません。

東)それは年代が偏らないほうがいいということでしょうか?
布)事業によるかもしれませんが、さくらっこのように20代〜70代まで幅広い世代のスタッフがいると「昔はこうだった」とか、「今はこうです」とか、それぞれの年代で情報交換ができるんです。そういったなかでお互いの知恵や意見を取り入れて活動できるのはとてもいいなと思っています。

東)年代のバランスとか、互いの意見を取り入れるとか、組織を作るうえでとても参考になるお話だと思います。
布)組織を作る立場としては、スタッフそれぞれの個性や特徴を見極めて、なるべくその人が活かせるような環境を作ってあげたいなと思いますね。

東)“適材適所”ということですね。
布)ええ。例えばメールとか、ホームページの管理とか、Facebookとかは私にはできないので、もう若い子にお任せ(笑)逆に嫁姑の相談とかなら経験豊かな年配者がとことんまで話しを聴くとか(笑)

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【ウェブサイト「NPOエール」とは】

「NPO法人に興味がある」、「NPO法人の立ち上げを考えている」…など、NPO法人に興味を持っている方々の不安や迷いを解消しようと、石川県のひがし行政書士事務所代表、東真稔が立ち上げたウェブコンテンツ。実際にNPO法人を運営している方々にインタビューした生きた言葉を掲載し、これからNPO法人を立ち上げようと考えている方々にエールを届けることを目的としている。